唐辛子味噌

 八百屋で青唐辛子を見かけると逃さず買うようにしている。胡瓜や茄子のようにいつでも店頭に並んでいる野菜ではないので、その日に食べるつもりはなくても買っておかなければ、欲しくても手に入らないないという目に合う。だから目についたらたら買う。ひょろ長い青唐辛子が20本ほど袋詰めされていて、150円から200円といったところか。るときにはどっと生って、盛期が短い作物なのかもしれない。
 夏野菜の炒めものに1〜2本刻んで混ぜると、辛味が効いて食が進む。そのまま醤油漬けにしておけば、数カ月は保存がきくし、中華ならどんな料理にも辛味付けに使える。一番お勧めなのは、唐辛子味噌。胡瓜の付け合わせにする。
 作り方は簡単で、青唐辛子10本を丸ごと(種ごと)できるだけ細かく刻み、サラダ油を薄く敷いたフライパンで炒め、火が通ったら握りこぶし大ほどの味噌、砂糖大さじ1杯、料理酒大さじ3杯、だし調味料少々と混ぜ合わせ、酒が飛んだら出来上がり。味噌は焦げやすいので混ぜる手を休めないことが肝要だが、それ以上に、換気扇を最強にしておくこと。唐辛子の油煙が台所に籠もると、喉や目に激しく沁み、涙が止まらず咳き込むことになる。材料の配分は、いつものことながら、適当に。
 それほど大量に消費するものではないから、一度作っておけば、日持ちもよく、ひと夏、胡瓜を美味しく食べられる。冷奴の薬味にもなる。