徘徊雑句34(花鳥22)

  
桑の実や未熟なままに華やげる 鈴なりの未熟な桑の実の 
藤と桐、花の紫競いをり   桐の花 枝垂れ咲く藤の花房
竹藪を遠く外れてたけずる 空き地に生えた筍  
  
鋼玉ベアリング潰れたる車軸軋み回転

散り敷ける花びらあれど樹の彼方 幹から直接吹き出して咲く桜
ベランダに花びら数片風優し

金の粒銀の粒撒き疾風はやて過ぐ さざ波の煌めき

藪抜けて蚊の食ひ痕の三四あり
    
水晶体よぎる蚊叩き血の飛沫しぶ

てふてふの時空歪めて舞ひにけり 飛び回るアゲハ蝶   
  

蜜を吸うくだ詰まらせて蝶悶ゆ 蜜を吸う蝶

  
病葉わくらばはね展げ蝶水に落つ

上目使いの雉草に伏せ居留守せる    上目遣いに上空を警戒する雉
  

畦道を花道runwayとせり雉子きぎす往く 畦道を行く雉 畦道でホロロする雉