徘徊雑句33(花鳥21) 2025-05-262025-05-26 車窓より一瞥ちらり新茶の丸き畝うね 葭切よしきりの声葭原よしはらを埋め尽くし 骨軋む羽搏き雉子きぎす浮揚せる 手に蚊来て一心不乱吸血す 目映まばゆくも椎の樹冠や花獗たける 悉く枝剪きられたれども楠芽吹き 桐の花去年こぞの実と並び咲きにけり 紫の鷺藤の花煽りをり 早苗田に鷺豊穣の舞いを納む 光沢を競いて墓石林立す 己が巣を取り違たがふなきや鷺犇ひしめき 子を違たがふことなきや鷺犇ひしめきて 蝶一瞬果し合いせり空中に 耕運機去り道に点々泥団子 楠の花散り敷き歩道赭あかく染む 巣毀こぼたれ雲雀ひばり中空に嘆き止まず 揚雲雀あげひばり天空そらに溶けなを囀さえずれる
車窓より一瞥ちらり新茶の丸き畝うね 葭切よしきりの声葭原よしはらを埋め尽くし 骨軋む羽搏き雉子きぎす浮揚せる 手に蚊来て一心不乱吸血す 目映まばゆくも椎の樹冠や花獗たける 悉く枝剪きられたれども楠芽吹き 桐の花去年こぞの実と並び咲きにけり 紫の鷺藤の花煽りをり 早苗田に鷺豊穣の舞いを納む 光沢を競いて墓石林立す 己が巣を取り違たがふなきや鷺犇ひしめき 子を違たがふことなきや鷺犇ひしめきて 蝶一瞬果し合いせり空中に 耕運機去り道に点々泥団子 楠の花散り敷き歩道赭あかく染む 巣毀こぼたれ雲雀ひばり中空に嘆き止まず 揚雲雀あげひばり天空そらに溶けなを囀さえずれる