徘徊雑句14(花鳥2) 2023-06-242021-06-21 捨てられしコンテナ深き錆に耐ふ 星座なる妄想の図天覆う 星座から這い出してくる半獣神 少年の肋あばら浮きけり栃若葉 約したる妻まだ来ぬに思案顔 カワセミの光包みて若葉萌ゆ 刈草の青き血の乾く匂い満つ ゴム堰を丸く越ゆるや小瀑布 空に病んで墜ちて悶えて死して腐す 行々子前世の因縁宣べ募る 葭切ヨシキリやひたすら虚空へ叫おらびをり 葭切ヨシキリの囀り止みて耳鳴りす 葭切ヨシキリの濁声だみごえ止みて無音澄む 酷きまで刈られし幹に新芽吹く 刈らるれどなお芽吹く力我にあれ 一声ではたと止みたりホトトギス 五線譜をこぼれる音符若燕 泰山木の巨花芳香を天に放つ 馥郁か酸鼻か白き花腐たし 臨月の腹重たげに猫走る 麦怒髪伐折羅大将ばさらたいしょう三千騎 無花果いちじくの実堅く少年の睾丸のごと 白鳥の歌歌わずに仔を育つ 天空によじ登らむと虚空這う 採る人のなく道端の実の夥し
捨てられしコンテナ深き錆に耐ふ 星座なる妄想の図天覆う 星座から這い出してくる半獣神 少年の肋あばら浮きけり栃若葉 約したる妻まだ来ぬに思案顔 カワセミの光包みて若葉萌ゆ 刈草の青き血の乾く匂い満つ ゴム堰を丸く越ゆるや小瀑布 空に病んで墜ちて悶えて死して腐す 行々子前世の因縁宣べ募る 葭切ヨシキリやひたすら虚空へ叫おらびをり 葭切ヨシキリの囀り止みて耳鳴りす 葭切ヨシキリの濁声だみごえ止みて無音澄む 酷きまで刈られし幹に新芽吹く 刈らるれどなお芽吹く力我にあれ 一声ではたと止みたりホトトギス 五線譜をこぼれる音符若燕 泰山木の巨花芳香を天に放つ 馥郁か酸鼻か白き花腐たし 臨月の腹重たげに猫走る 麦怒髪伐折羅大将ばさらたいしょう三千騎 無花果いちじくの実堅く少年の睾丸のごと 白鳥の歌歌わずに仔を育つ 天空によじ登らむと虚空這う 採る人のなく道端の実の夥し