徘徊雑句28(花鳥16)

                                                                
木蓮の吹きいずるごと群ら咲けり 群がり咲く木蓮
  
タンポポの綿毛散らして兎跳ぶ 散種寸前のたんぽぽ
  
卵巣は裂け棕櫚シュロの花咲きにけり 棕櫚の花
  
風を掃きちがやの穂ふるへ焦燥す 微風にそよぐチガヤの穂
  
目で追うも見失いたる蝶いずこ 草の枝にすがるアゲハ

 
葦雀ヨシキリのぎょぎょし〳〵と啼く仰々し 鳴きつのるヨシキリ
  

姿見せず我ここに在りとトリおら
  

紅葉もみじしきりに散らし尾長オナガ鳴く ダミ声のオナガ  
  

遅れ花残存念慮のごとく咲き
  
ひしめきて浮葉泥水を覆いたる 水面を埋めつくし押し合いへし合いする蓮の若葉 睡蓮の花
   
新緑にまぎれてもなおしるし背の光 杉の枝に止まるカワセミ  
  

沸き立ちて咲き吹きこぼれ散りクスの花 楠の花盛り 路上に落ちた楠の花
  

吠えるごといななくがごとキジ啼けり 畦道でホロロする雉  ホロロ接写