徘徊雑句29(花鳥17) 2024-08-102024-07-07 雷いかづちは太き公孫樹イチョウの幹を裂き 水晶体をケサランパサラン游泳す 鉄塔を登りおほせるか葛くず挑む 浮きつ沈みつゴム長運河流れ行き 棘鎧い誰がための蜜薊アザミ秘す 鶯うぐいすの声満山を領したり 芭蕉うねり風を孕みて空に昇る 平地なれど遠き坂道攀よず如し 下闇の蜘蛛の巣払いつつ歩みたり 驟雨来て片身ようやく雨宿り 黒衣纏い鴉炎熱に喘ぎをり 聴こえざる歌へと耳をそばだつる 鎌首に眼ある如く葛くずの蔓つる 鳥寄する妙たえなる呼子の在りぬべし 水馬アメンボウを追て水輪みなわの走るべし 托卵の許可キョカ求むるか時鳥ホトトギス 水馬アメンボウ表面張力踏み抜かず なに包む蓮華れんげほろほろ散りにけり 銀蜻蛉ギンヤンマ悠然領空哨戒す 吹き滾たぎるごとし黄き淡きダリア咲き 山桃の実散る樹下を迂回せり
雷いかづちは太き公孫樹イチョウの幹を裂き 水晶体をケサランパサラン游泳す 鉄塔を登りおほせるか葛くず挑む 浮きつ沈みつゴム長運河流れ行き 棘鎧い誰がための蜜薊アザミ秘す 鶯うぐいすの声満山を領したり 芭蕉うねり風を孕みて空に昇る 平地なれど遠き坂道攀よず如し 下闇の蜘蛛の巣払いつつ歩みたり 驟雨来て片身ようやく雨宿り 黒衣纏い鴉炎熱に喘ぎをり 聴こえざる歌へと耳をそばだつる 鎌首に眼ある如く葛くずの蔓つる 鳥寄する妙たえなる呼子の在りぬべし 水馬アメンボウを追て水輪みなわの走るべし 托卵の許可キョカ求むるか時鳥ホトトギス 水馬アメンボウ表面張力踏み抜かず なに包む蓮華れんげほろほろ散りにけり 銀蜻蛉ギンヤンマ悠然領空哨戒す 吹き滾たぎるごとし黄き淡きダリア咲き 山桃の実散る樹下を迂回せり