徘徊雑句30(花鳥18)

  

風を掃くちがやの穂揺れ悔いを煽る 靡く茅の穂

止まる樹を決しかねたか蝉迷走  
   
切株の命脈尽きてたけ生ず 切り株に生えた茸  
  
蓮の花浄土の風を包むごと 大賀蓮の花  
    
電柱の影さえ貴し日照り道

池のに卵植えつつ蜻蛉とんぼ飛ぶ 飛ぶ蜻蛉 交尾する蜻蛉

象の列蟻踏まぬやうそろり行く  
    
夏かけてくず鉄塔をのぼりたり 鉄塔を登った葛 
  
墓碑銘に兵の階級刻みあり  
  
くちばしで喘ぎ炎熱を鴉耐ふ 喘ぐカラス  
   

雲の峰湧きて地平に連なれり 雲の峰 雲の峰3 雲の峰2 

なつめ実り日に〳〵肥えて枝しなたわわな棗の実り  
   

青緑泥あおみどろ混ぜつつ鷺の歩みけり 青緑泥の中を歩く鷺  
    

直進はすなはち蛇行蛇の道 遡上する蛇