前の記事でParallelsの善戦ぶりを讃えたものの、Paralellsに関してはその後また別の奇妙な問題が発生して悩まされた。その顛末をメモしておく。
わたしはデスクトップに仕掛中のファイルやフォルダを置いているが、ある日、それらが全部消失しているのに気づいて、焦った。誤操作で知らずにそれらを削除してしまったか、あるいは質の悪いウイルスに感染してしまったか。名前を覚えているいくつかの仕掛中のファイルやフォルダをSpotLightで検索してみると見つかり、開くと内容も破損していないようなので一安心し、原因の調査に取りかかった。ネットを検索してみると、デスクトップからアイコンが消えるという事例はたくさんあって、いくつかめぼしい記事を拾い読みし、Finderを再起動するという対応策を試してみるが、効果なし。システム全体の再起動も試みたが、不可解な症状は治らない。困り果ててアップルのサポートセンタに電話した。サポートセンタからリモート接続で当方のMacの画面を共有しながら、原因を調査してもらったが、埒が明かない。TimeMachineバックアップから復元しようにも、最新のバックアップは一ヶ月も前のものだった。色々と試した挙げ句、そのひと月前のデスクトップを参考に、消えたように見えるファイルやフォルダーを手動で一つづつデスクトップに置き直すというのが、原始的だが一番確実な回復方法だろうという結論になった。
その作業を始めたのだが、単調な反復にすぐ飽きて、もっとなにか簡便な手はないものか、と改めてネットを探した。そのうち、Parallels付属のToolBoxにデスクトップのアイコンを消してしまうバグがあるという記事を見つけた。その記事とあわせて、ファイル/フォルダの可視/不可視設定、デスクトップの表示/非表示設定などの記事を参考にしながら、下記の作業を行い、元通りデスクトップにアイコンを表示させることができるようになった。
手順概略
0.ターミナルを開始
ファインダーのメニューバー =>移動 =>ユーティリティ =>ターミナル.appを選択
1. 設定値の確認
1.1. ファインダーに不可視ファイル/フォルダを表示させる属性値の確認コマンド
defaults read com.apple.finder AppleShowAllFiles
応答がTRUEであれば、変更は不要。FALSEであれは要変更。
1.2. デスクトップにファイル/フォルダのアイコンを表示させる属性値の確認コマンド
defaults read com.apple.finder CreateDesktop
応答が TRUEであれば、変更は不要。FALSEであれは要変更。
2. 属性値の変更(前項の属性値がFALSEの場合)
2.1. Finder上に不可視ファイル/フォルダを表示させる属性値設定コマンド
defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
2.2. デスクトップにファイル/フォルダのアイコンを表示させる属性値設定コマンド
defaults write com.apple.finder CreateDesktop TRUE
3.ファインダーの再起動(設定値変更の有効化)
[Option]キーを押しながら Dock 内の[Finder]アイコンを右クリックし、[再度開く]をクリック
またはターミナルで killAll Finder
問題の原因は次のようであっただろうと推測する。
Parallels ToolBoxの中の「デスクトップファイルを非表示」ユーティリティは、起動時にデスクトップ・フォルダ内の全てのァイルに不可視属性を付け、かつ、com.apple.finder CreateDesktop の属性値をFALSEにする。しかし非表示から表示に切り替える戻しの機能(不可視属性を削除する、または、Desktop表示属性をTRUREに戻す)が正常に作動しないため、上記のような障害が発生した。いままでParallels Toolboxはシステム起動時に起動するように設定していたが、必要な時にその都度立ち上げるように変更し、前述の手順を実行して、問題の現象は消えた。
Parallels本体のバグではないのだが、同様の症状が発生したときのために、記録しておく。
参考記事
mac デスクトップが不可視ファイルになる問題(Parallels toolboxに起因)