徘徊雑句27(花鳥15)

 さざ波を光は掃きてはしるべし  輝くさざ波     

  
 いかつかる鵜の碧眼へきがんらは誉む  碧い目の鵜     
  
 微光はらみ微塵弥生の空に充つ 
 

 風烈し空中に鳥蹌踉よろけをり  風に乱れる鵜の編隊     

  
 飛蚊症の蚊を追うがごとそうみだ

 

 ひよ危急金切り声の掠れたる  目の澄んだヒヨドリ     
  

 ばく解かれ裸樹空へ枝を寛ぐ  電飾の鎖を解かれた欅     
  

 仰反のけぞりて見上ぐれば月半ば融け  昼の月      

 双蝶のもつれつつ曇天を昇りけり 
    

 はし尖り水鏡突き魚を刺し  尖った嘴が光るカワセミ     
  
 抱卵二十日醜き雛の孵りけり  営巣地の鵜の群れ