徘徊雑句11(冬) 2021-02-062021-01-24 国造り教えたる鳥寒行かんぎょうす 敷石に団栗落ちて朽ちるのみ 蒼穹に鉄塔立ちて凍えをり 郁子むべなるか常緑樹とは知らざりき 大寒に枇杷の花咲き鳥呼ばう 翡翠カワセミの残光冷たく水面みなも冴ゆ 氷上に立ちたる鴨の足冷たし 氷上に坐したる鴨の腹冷たし 冬茜富士沈めつつ溶暗す 寒空に静脈の如枝這わす エナガ来てまだ堅き芽を啄める 新婚の妻籠つまごみ探すや草叢に 火を放つべし芒原すすきはら乾き果つ 驚きて飛び立ちたれど悠揚たり わが胴にも年輪ありや歳の垢 中空に抱卵の夫つま守りをり
国造り教えたる鳥寒行かんぎょうす 敷石に団栗落ちて朽ちるのみ 蒼穹に鉄塔立ちて凍えをり 郁子むべなるか常緑樹とは知らざりき 大寒に枇杷の花咲き鳥呼ばう 翡翠カワセミの残光冷たく水面みなも冴ゆ 氷上に立ちたる鴨の足冷たし 氷上に坐したる鴨の腹冷たし 冬茜富士沈めつつ溶暗す 寒空に静脈の如枝這わす エナガ来てまだ堅き芽を啄める 新婚の妻籠つまごみ探すや草叢に 火を放つべし芒原すすきはら乾き果つ 驚きて飛び立ちたれど悠揚たり わが胴にも年輪ありや歳の垢 中空に抱卵の夫つま守りをり