徘徊雑句10(初冬)

頭寒し欅樹冠より落葉す  まず樹冠から落葉する大欅  
 

翡翠カワセミの発ち枯葦のこゆるぎす  獲物を見つけたか
 

ひよどりの落ちつつ越えし枯れ梢  セコイアの尖る梢
 

枯れはててなお散らぬ葉を風なぶる  枯れ葉の並木  枯れ葉をまとうセコイアの並木
 

西日負いビッグフットとなりにけり  夕日がつくる長い影
 

カワセミや岩に坐りて黙想す  岩に坐る翡翠
 

雀らも整列したる保育園   保育園の屋根の上の雀たち
 

鳥逃げて食い残したる実に西日  もちの木の一つ残った実
 

にぎやかに落葉を鳴らし一人過ぐ  落ち葉の積もる杣道 落葉道
 

ヒイラギの棘にすがりて越冬す  ヒイラギの葉に残る空蝉
 

泡立草冬陽だまりに沸騰す  枯れた背高泡立草の群落
 

忘れたるにえの隠し処探しおり  畑を見晴らす百舌鳥
 

枯尾花枯れたるままに華やげり  陽に輝くススキの原   輝くススキの群落
 

ただれたる霜焼け痒き足小指  霜に爛れた白菜