Rosetta2をめぐる不具合一例

M1版MacBookAirのセットアップで、思わぬ不具合に遭遇したので、記録しておく。

[症状]

キーボード入力が受け付けられない

[対処法]

1. Google IME(日本語入力) の使用を中止し、Apple純正のIMEを使用する
2. Rosetta2をインストールする(Rosetta2導入後にはGoogleIMEも使用可能)

[経過]

注文していたM1版MacBookAirがようやく到着したので、早速セットアップに取り掛かった。
旧いIntel版MacのTimeMachine Backupから移行アシスタントを使ってセットアップする方式を選び、作業は順調に進んだ。
移行が終わり、再起動がかかってログインした後に、キーボードが使えなくなった。ログイン時にはパスワードをキーボードで入力できたのに、iCloudの設定で求められたパスワード入力が受け付けられない。キーボードが使えないとは、なんたら不良品を出荷するんだ、とパニックに陥ちかける。ネットで検索すると、キーボードの不具合の記事は山のようにある。そのなかから、条件の似た事例を探し当てた。
1つめは、OSが最新でなく、アップデートをすると不具合は解消したとする事例。出荷されたばかりの製品が最新のOSを載せていないということはあるまい、と思ったが念の為チェックしてみると、なんと更に新しい改訂版が出ている。サイズが4ギガ以上もあるが仕方なくダウンロードして、アップデートする。
OSダウンロードの間、更にネットを調べると、もっと類似の事例が見つかった。ログインはできるのに、その後でキーボード入力を受付けなくなる、というもので、当方の症状とそっくりだ。原因はGoogleIMEで、これはIntel版Mac用のプログラムなので、Rosetta2を経由しなければM1版Macでは作動できない。移行アシスタントを使用してセットアップしたので、元のMacでの設定が引き継がれ、日本語入力方式としてGoogleIMEが設定された。しかしRosetta2はデフォルトでは導入されていない。したがってキーボード入力が受け付けられなくなる、という解説だった。案の定、OSを最新版にアップデートしただけでは、症状は解消されない。日本語入力をApple純正に設定すると、キーボード入力が可能になった。いやはや。

[事後譚と感想]

かな漢字変換はGoogleIMEに馴染んでいるので続けて使いたいし、Intel版Mac用アプリで使いたいものは他にもあるから、Rosetta2を導入しなければならない。ところがRosetta2はそれ単独では導入できるようになっていないらしく、AppStoreにも並んでいない。Intel版Macアプリを最初に起動する時にRosetta2を使うか否か質問され(下図)、諾と応じるとRosetta2が導入され、以降は別のアプリでも問い合わせされることはなく自動的にRosetta2が協働する。移行アシスタントで引き継がれたFireFoxを起動すると、問い合わせがあり、導入できた。GoogleIMEは通常のアプリとやや毛色が違い、システム起動時(ログイン時)にシステムに常駐してしまうため、Rosetta2を使うか否かの質問を出す経路を迂回するのかな。

今回の不具合は、様々の偶然が重なって生じている。
・移行アシスタントで、日本語入力としてGoogleIMEが引き継がれた
・GoogleIMEはIntel版Mac対応プログラムだが、起動時にはRosetta2の導入が促されない
・新Macは深センから数日前に出荷されてたが、OSの最新版がその後にリリースされた(これは不具合の直接の原因ではないが)
・ログイン後、Intel版Mac用アプリをなにか起動していたら、促されてRosetta2を導入していたろうから、この症状には会わなかったろう
それにしてもM1Macはキビキビ動き、小気味よい。MacへのLove&Hateは続く。

[メーカへの注文]

Googleへ:GoogleIMEのM1版を出してくれ。Chromeは早くもM1版がでている。
Appleへ :Rosetta2はデフォルトでOSの一部として導入されるようにしてくれ。Rosetta2の仕掛けもパフォーマンスも素晴らしいが、ユーザに選択させる意味はないと思うが。