徘徊雑句13(花鳥) 2023-06-242021-04-14 翡翠カワセミの背の光疾とく水面みなも突く 辛夷コブシなる柔毛にこげの蕾花包み 痴呆ぼけるなと励ますがごと木瓜ボケ紅し 雛の餌を猟かる川蝉カワセミの眼の険し 競り咲きて競り散る花や悔い深し 散る花を抱きとめ蜘蛛の糸揺るる 経きょう習う鶯とり吃りつつ飽きもせず 雲雀ひばり空に借銭の苦を嘆きをり(注) 初めての恋かおづおづ添いかねて 帰雁らの粛々渡る天の河 帰る地を忘れたる白鳥とり春の水 雉キジの赤椿の闇に紛れけり 少年の肋ろく透く翅脈栃若葉 (注)雲雀の囀りの聞きなしに、「利がつく、利がつく、利に利がつく」というのがある、と子供の頃に聞いた。 借金に苦しむ百姓の嘆きか、濡れ手で粟の高利貸の高笑いか、複利の恐ろしさ(例、コロナ禍の感染者の増加) への警告か。
翡翠カワセミの背の光疾とく水面みなも突く 辛夷コブシなる柔毛にこげの蕾花包み 痴呆ぼけるなと励ますがごと木瓜ボケ紅し 雛の餌を猟かる川蝉カワセミの眼の険し 競り咲きて競り散る花や悔い深し 散る花を抱きとめ蜘蛛の糸揺るる 経きょう習う鶯とり吃りつつ飽きもせず 雲雀ひばり空に借銭の苦を嘆きをり(注) 初めての恋かおづおづ添いかねて 帰雁らの粛々渡る天の河 帰る地を忘れたる白鳥とり春の水 雉キジの赤椿の闇に紛れけり 少年の肋ろく透く翅脈栃若葉 (注)雲雀の囀りの聞きなしに、「利がつく、利がつく、利に利がつく」というのがある、と子供の頃に聞いた。 借金に苦しむ百姓の嘆きか、濡れ手で粟の高利貸の高笑いか、複利の恐ろしさ(例、コロナ禍の感染者の増加) への警告か。