顰めたる瞼こじ入る陽の眩し
微風立ちさざ波水面疾りけり
白雨きて樹々明るきまま掠れ
蟷螂や老いたるになお鎌構え
花尽きて葉のみ茂れり悲願花
天空に色なき孔雀羽根広ぐ
首なしのマネキン羽衣纏い立つ
鳥の影見えねど岩に著き跡 (*)
椋鳥ら全身に電波浴び憩いをり
名残惜しむ人なく萩の萎れあり
諍いの種ありや蜻蛉空中戦
溺れむとしつつ海峡を蝶渡る
諍いか睦みあいか鳥空にもつれ
吊るしたる玉葱のごと石榴熟る
蜘蛛の巣に掛るは枯葉ばかりなり
注
(*) カワセミが岩や枝の上で糞をするのを目撃することがある。白の水彩絵具のような軟便だ。鳥の姿が見えない日が続いても、この糞の跡を見かければ出没しているのだとわかり、あきらめずに通わせる力がある。
(*) カワセミが岩や枝の上で糞をするのを目撃することがある。白の水彩絵具のような軟便だ。鳥の姿が見えない日が続いても、この糞の跡を見かければ出没しているのだとわかり、あきらめずに通わせる力がある。