徘徊雑句12(冬から春) 2023-06-242021-02-26 木末こぬれより仄赤らみて寒を越ゆ 山笑い林笑いて悔悟あり 春立つを待ちかねて雉きじ野に出たり 春耕の余禄競いて啄みをり 臍の穴に銀の泡ふたつ隠れをり 愚かなることのみ多し生きめやも 悔ゆること多し枯れ原炎上す 不踰矩ななじゅうの境踰こゆるや恥重ね 酷むごきまで枝刈られ樹々芽吹けかし 辛夷こぶしなる蕾握れる花夢見 鉄塔を仰げば晧しろき昼の月 冬の垢濯すすぐ小鳥や水温ぬるむ 濁流の滔々暗渠蛇行せり
木末こぬれより仄赤らみて寒を越ゆ 山笑い林笑いて悔悟あり 春立つを待ちかねて雉きじ野に出たり 春耕の余禄競いて啄みをり 臍の穴に銀の泡ふたつ隠れをり 愚かなることのみ多し生きめやも 悔ゆること多し枯れ原炎上す 不踰矩ななじゅうの境踰こゆるや恥重ね 酷むごきまで枝刈られ樹々芽吹けかし 辛夷こぶしなる蕾握れる花夢見 鉄塔を仰げば晧しろき昼の月 冬の垢濯すすぐ小鳥や水温ぬるむ 濁流の滔々暗渠蛇行せり