徘徊雑句32(花鳥20) 2025-03-30 主失せて鯉ら永日游泳す (*1) 風削る水面みなもに光躓ける 可憐なる花の名前は犬陰嚢フグリ 脇道へ逸れ逸れ逸れてここ何処いずこ 烏瓜鴉も寄らず冬を越ゆ 追い抜かれまた追い抜かれ衰昂ず 徘徊の我が影鈍のろし路上這う 逢引きを約せし場所は塔の先端さき 握りたるこぶし開けば花五裂 (*2) 求愛か諍いか鴨騒ぎをる いつの間に蕗の薹立ち旬は去り 春きたり両岸に鳥啼き競い ついと花離るるや蝶に風の吹き *1 カワセミの出なくなった池畔で *2 辛夷の花は六辯
主失せて鯉ら永日游泳す (*1) 風削る水面みなもに光躓ける 可憐なる花の名前は犬陰嚢フグリ 脇道へ逸れ逸れ逸れてここ何処いずこ 烏瓜鴉も寄らず冬を越ゆ 追い抜かれまた追い抜かれ衰昂ず 徘徊の我が影鈍のろし路上這う 逢引きを約せし場所は塔の先端さき 握りたるこぶし開けば花五裂 (*2) 求愛か諍いか鴨騒ぎをる いつの間に蕗の薹立ち旬は去り 春きたり両岸に鳥啼き競い ついと花離るるや蝶に風の吹き *1 カワセミの出なくなった池畔で *2 辛夷の花は六辯