(続々)カワセミ追っかけ

 カワセミを追いかけて、出現ポイントを巡るのが日課になった。池の水辺を行ったり来たり何往復もして、それこそ眼を皿にして探す。彼らなりにお気に入りの枝や岩があるようでその周辺は特に念入りに探す。人の眼は見たいものを見てしまう、いわゆる空目そらめ現象が起こりやすく、青い葉っぱが陽の光で輝くのをカワセミの背中と見誤ったり、風に揺れる枯葉がカワセミの腹ではないかと誑かされたりはしょっちゅうのことだ。二周目、三周目になっても見つからないと、今日はもう出てくれないのか、あるいは、昨日の出現が最後で、今年もまた居なくなってしまうのか、と悲観が募ってくる。それをからかうように、目の前の水面を掠めて飛ぶ姿を見せたり、さっきからずっとここにいるのにどうして気付かないのと澄まし顔で対岸の木の枝に止まっていたりもする。いやもちろん、それらはみな、こちらの勝手な思い込みに過ぎなくて、カワセミは自分の都合で行動しているだけなのだけれど。

枝から枝へ
魚を呑み込む  
羽繕いと飛込みを繰り返す  

    


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