チャンチキ皿うどん

 チキンラーメンには軽い依存性があって、何週間に一回かは発作的に食べたくなる。そのチキンラーメンのちょっと変わった調理法を、もう二十年以上前になると思うが、桂三枝が司会する料理番組で紹介していた。チャンチキ皿うどんと称していたと記憶する。これが手軽でおいしいのでちょくちょく作るようになった。チキンラーメンに肉野菜炒めを載せて出来上がり。調味料は何も使わない。チキンラーメンの元の味だけで充分なのだ。肉野菜炒めの具材は豚肉細切れ、キャベツ(または白菜)、人参、玉葱、もやしなど何でも、冷蔵庫の残り物で充分である。すこし炒まったら湯を足してして煮る(湯の量はラーメンにするときの三割方少なめでよい)。煮立ったらそれを、袋から取り出して丼に入れたチキンラーメンに掛ける。それだけ。皿うどんの揚げ麺のかわりにチキンラーメンを使うというわけだ。チキンラーメンがふやけてくるのを待たずにすぐに食べる。口の中でパリバリと麺が砕ける。最初は少し塩味が強いがすぐにふやけてスープが湯に溶け出し、なにも味付けをしなかった野菜になじんでくる。
 ラーメンとして湯を注いでから食べるのとはまた違った味わいがある。