五線譜に蟻を這わせて

  

象、憎悪?、鼻が短い象、象が鼻は短い、違う、   
なにか違う、象は|がが|は長い、ぶらぶら、   
揺れる、鼻が揺れる、象の鼻濁音が、んが、ンガ、   
譫言うはごとにも価値がある、意味がある、るる、ルル、
縷縷、やっと出たかな漢字変換、流々、りり、リリ、凛々、らら、   
ララ、裸々、赤、あか、アカ、カー、    
鴉はゴミ収集日を知っていて集まってくる、   
ゴミ置き場を囲む樹の、低い枝で様子を窺っている、カーッ、
艶光りしている羽を広げ、残飯をつつきに舞い降りる、カア、ガァーgaha
助詞助詞の区別を知らずに、でも使い分けていた、   
知らないうちに、言葉を覚えてしまった、仕舞った、まった、待って、
待ったは無し、LとRを聞き分けも言い分けもできないなら、
中国人をもフランス人をも生き直すことはできまい、地団駄を踏め、
輪廻rin・ne?、輪廻lin・neの輪が軋み、碌でなしめ、  
人でなしめ、たまは軌道を逸脱してくれよ、
骰子さいころはせめて揃目ぞろめを出してくれよ、それが祈りか?、  
くじに当たるか外れるか、のるかそるか、絶対他力だぜ、
ルーレットがよ、いびつな璧も、ひん曲がった骰子も、でこぼこの円盤ホイールも、
ディーラーが操作できなければイカサマじゃないさ、
規則がないことが乱数の規則なんだぜ、絶対乱数、ハラハラして待てよ、
ドキドキ、ディーラーなき因果応報だ、カルマぞ、業ぞ、六道ぞ、
ぞ、象の、神々しい象の列の行進が、が、ッ、
ねが、願わくば、石になりたい、砂になりたい、だと?、
願おうと拒もうと、石になるさ、砂になるさ、
吹き飛ばされてどこぞの飯碗にまぎれ込めれば上等さ、さらさら、砂流さりゅう
salut、りゅう、流れ|して、流し|れて、
なにものかの荒い息で吹き散らされるんだ