iPad+Apple Pencil スクリブル機能(手書き文字認識)

 iPadのスクリブル(scribble)はApple Pencilで画面に手書きした文字をリアルタイムでテキスト(コード化文字)に変換する機能である。入力エリアがあればアプリを選ばない。ブラウザの検索キーワード欄、メモ帳の入力エリア、メールのメッセージエリア、表計算のセル、などなど。これまでの英語・中国語に加えてiPad OS 15から日本語もサポートされるようになった。日本語ではごくあたりまえの漢字・かな/カナ・アルファベット・数字が混ざった手書き文字列をさくさくとテキスト変換する。すごいな。scribble(走り書き)機能と名付けられているだけあって、かなり悪筆のチャラ書きでも認識する。逆に、近年手書きする機会が激減して、筆記者当人の書字能力が壊滅しかかっているのを改めて思い知らされる有様である。ガラス面に硬いプラスチックの芯で書く触感になかなか馴染めないが、ほとんど実用レベルに達している。問題は、偏と作りがはっきり別れている文字(たとえば糸偏言偏など)で、偏と作りが別々の文字として認識されてしまう場合が多い点だろうか。書字の速度を認識の速度が追い越してしまう感じ。ちょっと検索してみたが、それらしい記事が見つからない。なんとか防ぐ技はないかしらん。
 数年前に、かな漢字変換について書いた(キーボード)とき、いずれ達成されるにしろ、このレベルの手書き文字認識がこれほど早く実現するとは想定していなかった。漢字OCRの実用化に四苦八苦した30年余り前の記憶を喚び起こされて、隔世の感がひとしおである。