徘徊雑句23(花鳥11)

握りしめたる辛夷こぶしやうやう緩みあり  辛夷の蕾 辛夷の花  
   
キョーと啼くヒヨドリは恐竜の子孫なれ  叫ぶヒヨドリ
     
ジャリジャリと目玉転がすゴビの砂   
 
山吹の濃し闇を掃き清め  山吹  
   
干布団叩く木霊や春遅し   
 
越冬の水鳥去て池寥々りょうりょう  光る水面   
  
カラス模すビニールのにえ吊られをり  警戒するカラス  
     
沈丁花闇に香りて悔い募り   
 
花びらの吹き寄せられて溝うずむ  散り積もった花びら 
   
水に浮く花びら鯉に呑まれたり   
 
梨の花桜を追ふて咲きにけり  梨の花2 梨の花 
      
満身に棘を鎧てアザミ咲く  アザミの花 
      
昂然と雌きじや野にほろろ  雉のほろろ#2 野に叫ぶ雉 雉のほろろ#3  
藤の房垂れてうなじを掃かむとす  しなだれる藤の花房