iPhoneのバックアップをMacの外付けドライブに取る方法

 iPhoneのバックアップはFinder経由でMac上に取得できる(注1)が、バックアップ先は必ずしもMacの内蔵SSD(またはHDD)でなくても、外付けのSSD/HDDでよい。バックアップ先として外付けドライブを設定する手順は、少々煩わしいが、次の通り。

1.デフォルトのバックアップ先

デフォルトのバックアップ先は 
User/?usrname?/Library/Application Support/MobileSync/Backup
となっている(?usrname?の箇所は、各ユーザ固有のユーザ名)。
Libraryは隠しフォルダーなので、普通の操作ではアクセスできない。Finderメニューの「移動」を選択した状態でoptionキーを押すと、ドロップダウンリストの中に「ライブラリ」が現れる。それをクリックするとLibraryフォルダーが開く。あとはそのフォルダーの中を上記のパスに沿って開いていけばBackupフォルダにたどり着く。
  

2.内蔵ドライブのBackupフォルダーを外付けドライブへコピーする

外付けドライブにiPhoneバックアップ用のフォルダを新規に作成し(名前は任意)、そこへデフォルトのBackupフォルダーをコピーする。数十ギガのサイズがあればコピーに相当な時間を要する(目安として50ギガで20分程度)。コピーできたら、元のBackupフォルダはゴミ箱に捨てる(注2)
    

3.MobileSyncフォルダに外付けドライブへのリンクフォルダを作成する

ターミナル・アプリを開き、下記コマンドで、Backupという名のリンクフォルダを作成する。
 ln -s “?外付けドライブのBackupフォルダのパス?” “?MobileSyncフォルダのパス?”
各パスは、各自の環境に応じて異なる(この記事に、コマンド使用法のさらに詳しく分かりやすい解説があるので参照されたい)。
   
 これでiPhoneのバックアップがMac本体ではなく外付けドライブに取られるようになる(注3)。ストレージ不足でバックアップが取れない事態を避けることができ、かつ、Mac本体のストレージも節減できる。なにしろiPhoneでもMacでもApple純正のストレージの価格は他のメーカの製品のSSD/HDDよりAppleTaxと揶揄される何割か増し分高いから、かなりの節約になるだろう。Appleは、iPhoneのバックアップ先としてiCloudを売りたいのであろうが、まだまだローカルのSSD/HDDの安価には遠く及ばない。さらに言えば、iPhoneの通話履歴を含む個人情報をまるごとクラウドに預けてしまうリスクも減らせる。
 Appleは写真アプリやミュージック・アプリでは写真や楽曲のライブラリを本体内のデフォルトのロケーション以外に設定する方法を提供しているのだから(参照)、iPhoneのバックアップ先も簡便に選択できる機能をFinderのオプションとして提供すべきではなかろうか。

(注1)
MacOS10.15(Catalina)より前のOSでは、Finderではなくて、iTunesにバックアップの機能があった。iTunesがAppleMusicに模様替えをしたとき、iPhoneのバックアップ機能がFinferに移管された。機能や操作手順は従前と変わりない。

(注2)
コピーした後に削除するなら、最初から「コピー」ではなく「移動」にすればよいようなものの、操作が途中で失敗した場合の復旧が楽なので、コピーした後ゴミ箱に捨てるという冗長な手順をとっている。

(注3)
この設定で、iPadのバックアップも外付けドライブに取られるようになる。