徘徊雑句6(夏から秋 3)

 
炎天を呪うがごとし百日紅さるすべり  炎天のサルスベリ
  
白鷺の濃きあおみどろ掻き混ずる  沼を歩く白鷺
  
渇水の瀬を嘆きしや翡翠かわせみは  葦に潜むカワセミ  
 
耕作の止みたる畑野くず制す  葛の花  
  
徹頭徹尾、目玉さえ赤、蜻蛉とんぼ照る  あくまで赤い赤トンボ  
 
秋の陽や翅透き身透き目玉あお  日向の石に止まるトンボ  
  
数え切れずフェルミ推定信ずるや  群舞する椋鳥  
  
西日射すさざなみに鳥紛れたり  漣にまぎれる水鳥