徘徊雑句2(春から夏)

 春から夏

 

曇天を飛燕一閃斬り裂けり 曇天の燕
 
 
天をしも支えんとすか泰山花 泰山木の花
 
 
刈る人は亡く燕麦や牧に熟れ 燕麦熟れる
 
 
葱坊主にも甘き蜜あり虫集む 葱坊主
 
 
廃されし牛舎の門を蜘蛛封ず牛舎に蜘蛛の巣
 
 
蚕らの葉脈を噛む音静か 桑苺
 
 
うなされし彷徨のはて栗咲けり 満開の栗の花
 
 
地の涯へ花の涯へと蟻の這う 白詰草の花に登る蟻
紫陽花の萼を這う蟻
 
 
 

  

(注)ポップアップ画面を閉じるには、右上のX印をクリック(またはEscキー)。