徘徊雑句1(春)

 春

 

椿白く木下闇のの明かり 白椿  

 

牛飼いの絶えたる原に草せり  牧草地            

 

早苗田を渡るそよぎも幼かり 田植えの済んだ田

 

筍の十日もたで人の丈 路傍の筍

 

風の道の真中まなかに揺るる蜘蛛の陣 蜘蛛の巣蜘蛛と蜘蛛の巣

 
 
血を吐きて呼びたるに妻現れず 妻を待つ雄雉

 

舐め尽くすべき荒涼の涯てしなし  路上の蟻

 

揚雲雀あげひばり高き奈落へ墜ちゆけり 揚雲雀

 

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