徘徊雑句8(秋2)

金銀の穂を煌めかせ秋送る  芒の群落
  

かや原を駆け少年の脚傷多し

風になびきなびきつつかやを研げり     萱の原  

  
鳳凰の宿れるを待ち夏は過ぐ  桐の実

末生うらなりの西瓜熟しおおせるや            うらなりの西瓜

彼岸花暦に遅れ咲きにけり       彼岸に遅れて満開の彼岸花 
  
秋の蝶乏しき花を競いけり  競い合うかむつみ合うか二羽の蝶

蟻建つる蝉の墳丘崩れゆき          蝉の墓    

耳鳴の昂じ無音の蝉時雨