徘徊雑句7(秋1)

 
電柱を攻めあぐねたりくずの秋    
    
梢のみ照り残りたる牧の暮          残照の梢  
   
破れなき葉を満帆に芭蕉風   秋の光を浴びる芭蕉の葉  
      
痛々し少年の棘よろいたる      栗    
     
木犀の咲きそめ深呼吸促しむ            開き始めた金木犀  
     
木犀の金ひしめきて息苦し  満開の金木犀  
  
落ち花の金錆びゆけり雨後の道               道に散り敷く木犀の花びら  
  
柿紅葉若葉にまして華やげる 柿紅葉 
     
にぎやかに西日かき混ぜ猫じゃらし             西日を浴びて輝く猫じゃらし  
  
嫌われど嫌われど咲き野に満てり   はびこる背高泡立草