不随詩片

内耳の迷路の奥へおくへどこまでもはいこみ
精神に接するつきあたりでふいに
もだえながらつぎつぎ
聴きとれぬ悲鳴になって消える
蟻の無限行列
で包囲される 吸う息
吸う息に憑く馬革のふいごはあえぐまま
火を煽らず
毀れた寝台から突き出るスプリングは夢を串刺しにする
揉み込まれる錐の深さが生きる理由を測りうるか? 血の泡が
つかのま
希望を映しうるならば口に満ちる
血の泡を齟む 呟きは割れつづけ
腕は行為のかんぬきであり
舌は言葉のさるぐつわである