幽体離脱

なぎ倒される草の痛み
踏みにじられる芝の疼き
仰臥する躰から
上半身の幻が何度も何度も起き上がり
目覚めようとすのだが
下半身は眠りに漬かったまま
夢から滴る水銀は鏡面に砕け散り
互いを映し合う粒々の無限後退の末に
ひと粒ひと粒から滲みだす痺れが
くりかえし疼きとなってこみ上げる