導火線と爆弾

煙草を吸っている
ことに気づく
火を
点けた覚えがないあわてて
はげしく擦りなおすマッチは発火せず
こころに一条のすり傷をえぐる
消した確証がない
無数の吸殻は
記憶の灰皿から点々と畳にこぼれいたるところで
くすぶりはじめる
のでじりじりと容赦なく魂まで延焼する
火!
をさえぎる阻止線がない