地下道

 
ふたりで爆弾を仕掛けた。
彼が爆薬を調合しているあいだ
時計を分解して時限装置を作った
だが途中でバッテリーから液体が漏れ
空気に触れて炎上した。
慌てたが、なんとかもみ消し
時限をセットした。
ふたりで地下道の隅に爆弾を置き、立ち去った。 

時限装置がちゃんと作動するか不安だった。
不安の重圧でその夢から醒めてしまった。
醒めても不安は尾を引いた。
もし不発なら
もし炸裂したら

爆弾だけじゃない
彼も置き去りにした
なにもかも置き去りにした
知らない街の夢の地下道に