MagicMouseが繋がらない

 マウスはMagicMouseを使っている。いわゆるBlueToothのワイアレスマウス。電池を2本入れて使う旧いモデルで、買って何年になるか覚えていない。今日はそれが使えなくなった。
 電池交換の警告が出始めていたのには気づいていたが、取り替えるのを怠っているうちに、とうとう接続が失われた。接続断の警告は現れたはずだが無視したか見逃した。あわてて電池を交換して接続を確かめる。自動再接続しない。マウスを裏返して、発光をチェックする。ちゃんと光っている。でも何度クリックしてもドラッグしても、画面にポインターは現れず、警告メッセージも出てこない。原因や対応策を調べようにも、マウスが使えないのではネットの検索もできず、手脚をもがれたような無力感と無能感に逃げ道がなくて、いっとき全世界がマウスの不調に乗っ取られてしまったかのごとく、心中でマウスを呪い、Macに当たり散らす。しばらくしてようやく、机上にはスリープ状態の旧いMacがもう一台並んでいることに思い至り、そちらから参考になりそうな記事を検索してみようと試みる。こちらのMacはLogitec製のUSB無線マウスを使っており、愛いやつ、という感じでサクサク動く。もう一度調子の悪い方のマウスに持ち替えて、なにが悪いんだ、と左右に大きくドラッグすると、あれれ、隣の旧いMacの画面でカーソルが踊っているではないか。MgicMouseは電池交換の間に旧いMacへペアリングを乗り換えたのか、乗っ取られたのか、旧いMacにはマウスが2台繋がっているのだった。なんじゃこりゃあ、「とりかえばや物語」か、「二人の主人を一度に持つと」か、あらぬことを口走りつつ、何の拍子にこんなことが生じるのか分からぬまま、旧いMacからBlueToothマウスの設定を削除してみる。MagicMouseが元のMacに繋がった。こういうときの苛々は始末が悪い。ここに書捨てて吐き出すことにする。

後日談
 謎が半分解けた。旧いMacとMagicMouseがペアリングしたのは、旧いMacにMagicMouseの定義がもともと存在していたからだ。この旧いMacは岡山の娘の下宿で滞在中に使っていた。本体は重いので持ち込んだきり置きっぱなしにし、マウスとキーボードは使い慣れたものを使いたくて、往来のつど持ち運んで使っていたのだ。キーボードもマウスも二人の主人持ちで、千葉と岡山を行き来するたびに、主人を替えていたのだ。それが、いまでは二人の主人が同じ机に並んでいて、マウスは電池交換された直後に、たまたま先に旧いMacの電波を検知してしまって、そちらとペアリングした、ということだ。
 そうすると、こういうことが生じる危険は、新旧二台のMacを並べたときから常にあったが、偶然にもこれまでそれが生じなかったにすぎない、ということになる。もう少し釈然としない。
 あと半分は、USB無線とBlueTooth無線の強弱の差で説明がつくかな。