輪廻転生

聳え立つ柱の途中にしがみついて慄えていた 登る先には空があるだけ 見下ろせば地面はは … 続き…

徘徊雑句3(夏)

 夏     衣脱ぎつつ光りつつ天摩せり    暗緑に酔い青光り夢うつつ     茱 … 続き…

徘徊雑句1(春)

 春   椿白く木下闇の仄ほの明かり      牛飼いの絶えたる原に草生むせり    … 続き…

テキストとイメージ

 カメラを新調してから、散歩に携行して、道すがらの花や虫や鳥やを撮ることが増えた。興 … 続き…

穴掘り

空き地の地面にしゃがんで穴を掘る。 息切れがして顔を上げると男が立って、黙って見下ろ … 続き…

春の野原を歩く2

コロナ禍の緊急事態宣言下でも、近在の野っ原を彷徨徘徊する生活様式に変わりはなかった。 … 続き…

春の野原を歩く

コロナ禍の最中も、足の向くまま近在を徘徊する。住まいから半径2キロほどの狭い範囲なの … 続き…

木の芽和え

 去年、揚羽の幼虫に丸裸にされた山椒の小木は枯れずに、春になると芽吹いて葉を茂らせた … 続き…

富士見

 晴れた日には下総からも富士山が見えると聞いた。しかし直線距離で一三〇キロ余り、仰角 … 続き…

断首と失神

  四歳のわたしは、 近所の小母さんが軒下に据えた押し切りで鶏の首を刎ねるのを見て、 … 続き…

誘拐事件

  麦畑の中に雲雀の巣を見つけ、雛を攫さらった。 鳥カゴに雛を入れ、庭の柿の木の枝に … 続き…

鳥類図譜

 散歩の途次に見かける鳥たちの姿を並べてみると、名前があやふやなのがたくさんいる。鴨 … 続き…